ひいいの麻雀研究  ひいいの麻雀研究

 1−03 点数計算
 符計算、点数計算や場棒、ノー聴罰符について。

    点数計算についての長い前書き

     アメリカンフットボールをプレイする時に、何をどうしたら何点入るのかということを知らなければ有効な作戦を立てられないし、勝つことはできないであろう。闇雲にボールを持って走ったり投げたりしても効果的な勝ちには結びつかないであろう。
     点数計算が判らずに麻雀をすることも、これと同様である。麻雀は単に摸打[もうたあ]をして早く高く和了するだけのゲームではないのである。

     オーラス0本場で自分は2位の西家、トップの親との差が4900点あるとする。トップ者直撃なら2600点、トップ者以外の他家からの出和がりなら5200点、自摸なら3900点、がトップになるための最低和了点になる。そしてこの時に、自分の配牌や自摸牌から、どう構成するかを考えられるかどうかがポイントである。直撃は難しいし、自摸センも辛いので他家からの出和がりを考える。5200点が最低点であるが、どうも手役はタンピン系である。平和出和がりとなると7700点の役を作ることになる。断幺九+平和にあと2飜つけなければならない。 立直をかけて、ドラ1つか一盃口を絡めればよい。しかし、タンピン系の手だからと言って平和にする必然はない。鳴いて三色同順を作る。食い断+三色同順+ドラ1で、これが食い平和の形だと3900点だが、符があれば5200点になるのである。1面子を刻子にするか、嵌張待ちまたは単騎待ちにすればよい。もし対子が伸びてきて七対子なら3200点では直撃以外不足なので6400点を考える。七対子+ドラドラか、七対子+立直+断幺九であろう。と考えていたら、トップの親が立直をかけた。これはチャンスである。トップとの差は3900点に縮まった。門前のタンピンに立直かドラかの1飜をつける、食い断+三色同順+ドラ1で食い平和形でOK。七対子なら断幺九つけて3200点の直撃か、断幺九がなくても自摸って3200点で逆転となる。
     点差、本場、供託立直棒、場中の立直などの状況によって、どの道に進むのが最も早い手作りができて他家放銃のリスクを回避できるかを考えて、打つ。これが麻雀の面白さであろう。

     オーラスの時の100点刻みのシビアな点数計算について述べる。
     オーラス0本場で自分は2位の南家、トップの親(上家)との差が6000点あるとする。トップ直撃は何点あればよいか?  起家がどこか判らない? オーラスで自分が南家ということは自分が起家なのである。直撃なら3200点以上となる。しかし上家なので狙いづらい。トップ者以外の他家からの出和がりは 6400点以上になる。自摸なら3900点では100点足りない。5200点以上になろう。配牌時の自分の手牌は暗刻1つ入りの断幺九形でドラ1枚、あれよあれよと序盤で聴牌、どうしようか考えていたら次巡和了牌を自摸してしまった。自摸+断幺九+ドラ1で30符(符は中張牌の暗刻と自摸符しかない)3飜3900点、100点足りない。あなたならどうする? いい待ちとなるところを切って振聴立直? 自摸センになるが、立直+自摸+断幺九+ドラ1で7700点で逆転。 雀頭を切って行き立直+断幺九+ドラ1狙い? 立直+断幺九+ドラ1で5200点で逆転。 ブー!! 自摸+断幺九+ドラ1で和がってしまうが正解。100点足りないって? 足りるのである。3900点の自摸は、親2000点子1000点で4000点の収入になるのである。同点頭跳ねでトップになる。
     自摸をすると点数が増えるのは、60符以下においては、1000点→1100点、1300点→1500点、2600点→2700点、3900点→4000点、7700点→7900点の5パターンである。百の位が偶数でもこの差異が出ることに注意。400で割り切れれば差異は出ない。60符以下においては、1600点、2000点、3200点、5200点、6400点の5パターンである。
     参考までに、70符以上を紹介する。70符は、2300点→2400点、4500点→4600点になる。80符、100符のパターンは60符以下と同じである。90符は30符の3倍になるかというとならないが、2900点、5800点ともに差異は出ない。110符には差異があるのだが110符以上になる確率は天和並なので覚えておかなくてよい。
     幺九牌の暗槓2つと幺九牌の明槓1つで、32+32+16=80符、自摸和で110符になる。これならあり得そうであるが、三槓子が確定しているので110符2飜で7100点。もし1飜増えれば満貫である。幺九牌3種を槓子にしているのである。普通は対々和か全帯幺か混一色か混老頭か役牌か三暗刻か小三元が絡むし 、ドラも増えているので、満貫以上になってしまうのである。

     オーラスの時の100点刻みのシビアな点数計算はもちろんのことであるが、麻雀をやる上において当たり前に知っておくべき点数計算の特性というものがある。
     平和+断幺九+一盃口+ドラ1の聴牌で、一手変わりで三色同順もつく。この手変わりを待つ意味はほとんどない。平和+断幺九+一盃口+ドラ1で30符4飜の7700点、これに三色同順の2飜がついても満貫の8000点で、300点しか増えないことになる。この300点のために手変わりを待つのは実にアホらしいことである。七対子+ドラドラで6400点ある。立直をかけて8000点、差額1600点分のリスクを冒して1000点出すことが有利か不利か。これらの記述を読んでドキッとした人は、この点数計算をじっくり読んで勉強し直して欲しい。
     符と飜の組合せの中には、苦労する割に実入りが少ないものや、楽にできるのに実入りがいいものなどがある。この「お得感」というのは人によって違うと思うが、私は平和系は損であると思っている。平和+自摸は2飜もあるのに1300点。平和は自摸ると損する役だと思っている。
     無理なく楽に作れて実入りがいいのは、5200点と6400点だと思う。これを「おいしい」という。

    5200点
        立直+断幺九+ドラ1
        立直+ドラ2
        断幺九+ドラ2
    6400点
        七対子+ドラ2
        立直+七対子+断幺九
        七対子+断幺九+自摸

     一発や裏ドラやましてや嶺上開花だ海底摸月だというような偶然役は除外して考える。一盃口や三色同順がなぜ出て来ないのかは、作る手間が大きいからである。これらの例を見てみると、平和が出て来ないのである。役の中心は、断幺九と七対子、それにドラ、立直である。
     そして門前が殆どである。上記の例のうち、断幺九+ドラ2だけが副露でも成り立つ役であるが、多くの場合は副露(食い断に)すると30符になってしまい3900点に下がってしまうのである。
     平和では6400点はあり得ず、平和手で5200点にするには、立直+平和+自摸+ドラ1など4飜ないといけない。立直+平和+自摸+ドラ1と、立直+断幺九+ドラ1(栄和)と同じ5200点であるが、どちらが簡単か、比較すればよく判るであろう。

     いかにして勝つかは、何が効果的な和了なのかを熟知していることがまず第一である。早ければいい、高ければいい、と漫然と打っていては麻雀には勝てない。

     参考に、ひいい流の打ち方の基本を示す。
       ・門前が前提。
       ・ドラを捨てない。
       ・平和を目指さない。(できてしまう場合は仕方がない)
       ・断幺九を目指す。
       ・七対子を常に考慮に入れる。
       ・2飜あれば立直。

     次からが、点数計算の方法である。基礎的なところから解説している。

    1.副底
     副底[ふうてい]は点数計算の基準の符で、20符である。ただし七対子の場合は25符である。
      ●門前でロン和がりの場合(七対子以外)、10符が加算され、副底は30符となる。
       これを門前清栄和加符[めんぜんちんろんほうかふ]という。
      ●食い平和形(全て順子で雀頭が役牌でない両面待ち)の場合、
       副底は30符となる。(20符とするルールもある)
      ●七対子の場合、副底は25符となる。
      ●その他の場合は、副底は20符となる。
    20符 門前で平和自摸[つも]
    食い平和形でない副露状態でのロンまたは自摸
    門前で自摸
    25符 七対子自摸
    七対子ロン
    30符 門前で平和ロン
    門前で七対子以外ロン
    食い平和形でロンまたは自摸

      副底に、自摸符・組合せ符・待ち符を足していく。
     
    2.自摸符
     自摸和りの場合は、門前であろうと副露していようと、例外を除き全てに2符がつく。
       <例外>
          ●平和を自摸和がりの場合、自摸の2符はつかない。
          ●七対子の場合、自摸の2符はつかない。

    3.組合せ符
     順子には一切符はつかない。
     雀頭は、場風牌・門風牌(自風牌)・三元牌に限り2符となる。いわゆる役牌(飜牌)が雀頭の場合である。
     ダブ東やダブ南などの連風牌は4符となる。
     刻子・槓子に関して、幺九牌は中張牌の2倍の符がつく。
     刻子・槓子に関して、暗(手持ち)は明(副露)の2倍の符がつく。
     槓子は刻子の4倍の符がつく。
     平和は組合せ符がゼロ前提の役である。面子は順子のみで雀頭は役牌でない。
     七対子には組合せ符はつかない。

    【組合せ符】
    組合せの種類中張牌
    (2〜8の数牌)
    幺九牌
    (一九字牌)
    雀頭0符老頭牌は0符
    客風牌は0符
    場風牌は2符
    門風牌は2符
    三元牌は2符
    連風牌は4符
    順子0符0符
    明刻2符4符
    暗刻4符8符
    明槓8符16符
    暗槓16符32符


    4.待ち符
     待ち牌が2種類以上ある両面待ちと双ポン待ちは0符である。
     待ち牌が1種類しかない嵌張待ち、辺張待ち、単騎待ちは2符である。
     平和は順子構成の役で両面待ちが前提なので、待ち符はつかない。
     七対子には待ち符はつかない。

    【待ち符】
    聴牌の形
    両面待ち0符
    嵌張待ち2符
    辺張待ち2符
    双ポン待ち0符
    単騎待ち2符
     のようなの多面待ちの場合には、どの牌で和がるかによって待ち符は異なる。で 和がった場合、単騎待ちとして2符がつく。
     というような待ちをであがった場合、これをの嵌張待ちとするか、の両面待ちとするかは、役を含めて点数の高い方とする。
     平和がつく場合は両面待ちでないといけないので両面待ちとして数える。和がった人が最も得するような数え方をすることを有利計算という。

    5.符計算
     符=副底+自摸符+組合せ符+待ち符 の足し算で求める。計算結果を1の位で切り上げる。32符は40符、26符は30符になる。これを符ハネという。
     平和は、組合せ符と待ち符がゼロ前提の役であり、平和でなければ組合せ符と待ち符の合計は2以上になる。
     符は、20符から102符までは2刻みですべてありうるが、多くの和がりは20符・30符・40符になる。平和が多いこと、公九牌の暗槓が少ないことから容易に想像できる。
      [例]東場の西家(北は客風牌)
        自摸:

        副底(20)+自摸(2)+公九牌暗刻(8)+嵌張待ち(2)=32
        これを切り上げて、40符となる。
        40符1飜(食い三色同順)で1300点。
     
    6.飜数のかけ算と切り上げ
     符に飜数と場ゾロ(リャンゾロ)の2飜分の全飜数を2のN乗としてかけると、子が自摸和がりをした場合に子が払う点数が出る。これをベース点という。これを2倍にした点が親が払う点数である。そして10の位を切り上げる。ロン和がりの場合はベース点の4倍が収入点数となる。
      [例]
        40符1飜の場合、1飜と場ゾロで3飜。
        2の3乗をかける。
        40符×(2×2×2)=320 (ベース点)
        これを切り上げて、400となる。
        親は子の2倍払うので640となり、これを切り上げて700になる。
        子400+子400+親700=1300になる。

     これが正式な計算方法なのであるが、判りづらい。従って、まず総額でいくらの和がりなのかを出す。子1:子1:親2、なので、ベース点に4をかければ総額が計算できる。総額を計算した後で、親と子に分割する。ご存じの通り、ロン和がりの場合は、振り込み元が親でも子でも この総額がそのまま収入点数となる。
      [例]
        40符1飜の場合、1飜と場ゾロで3飜。
        2の3乗をかけ、さらに総額を出すため4をかける。
        40符×(2×2×2)×4=1280 (総額)
        これを切り上げて、1300となる。
        この半額650を親が払うので、切り上げて700。
        親の半額325を子が払うので、切り上げて400。

     そしてさらに、毎回2をたくさんかける計算をするのは面倒だし間違いやすいので、得点表が生まれた。親の和がりは子の1.5倍である。符と場ゾロを除いた飜数と親和がりか子和がりかを当てはめて下の表を見る。
     80符の場合は40符の飜数+1を見る。100符の場合は50符の飜数+1を見る。
     符は最大110符である。しかし70符以上になる確率は0.01%未満である。

    【子の得点表】 ( )は自摸の時の(子・親)の払い
    1翻2翻3翻4翻
    20符 1300
    (400・700)
    2600
    (700・1300)
    5200
    (1300・2600)
    30符1000
    (300・500)
    2000
    (500・1000)
    3900
    (1000・2000)
    7700
    (2000・3900)
    40符1300
    (400・700)
    2600
    (700・1300)
    5200
    (1300・2600)
    満貫
    50符1600
    (400・800)
    3200
    (800・1600)
    6400
    (1600・3200)
    満貫
    60符2000
    (500・1000)
    3900
    (1000・2000)
    7700
    (2000・3900)
    満貫
    70符2300
    (600・1200)
    4500
    (1200・2300)
    満貫満貫
    80符2600
    (700・1300)
    5200
    (1300・2600)
    満貫満貫
    90符2900
    (700・1500)
    5800
    (1400・2900)
    満貫満貫
    100符3200
    (800・1600)
    6400
    (1600・3200)
    満貫満貫
    110符3600
    (900・1800)
    7100
    (1800・3600)
    満貫満貫
     20符の行は平和自摸の時のみ使用する。

    【親の得点表】 ( )は自摸の時の子1人の払い
    1飜2飜3翻4飜
    20符 2000
    (700)
    3900
    (1300)
    7700
    (2600)
    30符1500
    (500)
    2900
    (1000)
    5800
    (2000)
    11600
    (3900)
    40符2000
    (700)
    3900
    (1300)
    7700
    (2600)
    満貫
    50符2400
    (800)
    4800
    (1600)
    9600
    (3200)
    満貫
    60符2900
    (1000)
    5800
    (2000)
    11600
    (3900)
    満貫
    70符3400
    (1200)
    6800
    (2300)
    満貫満貫
    80符3900
    (1300)
    7700
    (2600)
    満貫満貫
    90符4400
    (1500)
    8700
    (2900)
    満貫満貫
    100符4800
    (1600)
    9600
    (3200)
    満貫満貫
    110符5300
    (1800)
    10600
    (3600)
    満貫満貫
     20符の行は平和自摸の時のみ使用する。

     5翻以上は符の計算を打ち切り定められた点数となる。
    【満貫以上の点数】
     
    満貫(〜5飜)8000
    (2000・4000)
    12000
    (4000)
    跳満貫(6飜〜7飜)12000
    (3000・6000)
    18000
    (6000)
    倍満貫(8飜〜10飜)16000
    (4000・8000)
    24000
    (8000)
    三倍満貫(11飜〜12飜)24000
    (6000・12000)
    36000
    (12000)
    役満(13飜〜)32000
    (8000・16000)
    48000
    (16000)
    ダブル役満(28飜〜)64000
    (16000・32000)
    96000
    (32000)
    トリプル役満(43飜〜)96000
    (24000・48000)
    144000
    (48000)
     数え役満を有りとする場合は13翻以上が4倍満となる。

     七対子は符を25符2飜=50符1飜として計算する。
    【七対子の点数】
     2翻3翻4翻
    子の点数1600
     
    3200
    (800・1600)
    6400
    (1600・3200)
    親の点数2400
     
    4800
    (1600)
    9600
    (3200)
     七対子2飜では自摸和はない。(3飜になる)


     よくある和がりの点数計算を以下に示す。門前か副露か、平和か平和以外か、自摸かロンか、のパターンさえ覚えてしまえば、点数計算の初歩は完了。
      ■門前平和ロン … 必ず30符
        副底(30)=30
        30符1飜(平和のみ)=1000点。
      ■門前平和自摸 … 必ず20符
        副底(20)=20
        20符2飜(平和自摸)=1300点。
      ■食い断(平和形)自摸・ロン … 必ず30符(本来は20符)
        副底(30)=30
        30符1飜(食い断のみ)=1000点。
      ■食い断(平和形以外)自摸・ロン … 必ず30符以上
        副底(20)+α=30
        30符1飜(食い断のみ)=1000点。 ←これ以上になることあり。
      ■門前断公九ロン … 必ず40符以上
        副底(30)+α=40
        40符1飜(断公九)=1300点。 ←これ以上になることあり。
      ■門前断公九自摸 … 必ず30符以上
        副底(20)+α=30
        30符2飜(断公九自摸)=2000点。 ←これ以上になることあり。
      ■七対子自摸・ロン … 必ず25符固定
        副底(25)=25
        25符2飜(七対子)=1600点。


    7.場棒計算
     1本場以上の場合(場棒がある場合)は1本につき300点を加点する。
     栄和なら本場数×300点を加算、自摸和なら親子関係なく100点ずつを加算する。

    8.ノー聴罰符
     1人聴牌の場合は、ノー聴の3人が聴牌した1人に1000点ずつ払う。
     2人聴牌の場合は、ノー聴の2人が聴牌した2人に1500点ずつ払う。
     3人聴牌の場合は、ノー聴の1人が聴牌した3人に1000点ずつ払う。
     合計3000点が動くことになる。
     全員聴牌・全員ノー聴の場合は、罰符の動きは0点となる。

    9.その他
    ●高め取り
     1つの和了形であっても雀頭が固定しなかったり、両面待ちにも嵌張待ちにも採れることなどにより、異なる役、異なる点数を計算することができる。麻雀の点数計算の基本は高め取りであり、必ず高い方の点数にしなければならないというルールがある。
     高い方ではなく、安い方が得と言う場合とは、以下のようなケースである。
     オーラス2位でラス親の人がトップには3000点差付けられており、4位は持ち点2000点しかなかったとする。
        ロン:  ドラ:
     ダマで4位の人から4索を栄和した。親なのでタンピンで2900点。しかし、これでは栄和した4位の人がドボンして終荘してしまい、トップ差100点で負けになる。
     そこで、4索を両面ではなく、嵌張で受けたことにする。
            ロン:
     こうすれば、断幺九のみになり、2000点ジャストで4位の人は飛ばず、トップ差1000点で連荘になる。
     しかし、このような選択は麻雀ではできない。必ず高い方の点数を採択しなければならないので、2900点になるのである。トップを取りたいのであれば、見逃すべきである。
     
    10.まとめ
    ・副底+自摸符+組合せ符+待ち符 を計算する。(最低2符単位)
    ・門前ロン、食い平和形ロンは副底30符。
    ・平和以外の自摸に2符がつく。
    ・順子には符はつかない。
    ・幺九牌の刻子と槓子の組合せには中張牌の倍の符がつく。
    ・暗刻と暗槓には副露時(明刻と暗刻)の倍の符がつく。
    ・1種類の牌待ちに2符がつく。
    ・符の合計を1の位で切り上げる。
    ・親は子の1.5倍の得点。

    ●得点表上、飜数が1増えても綺麗に2倍になっていないところがある。2000の2倍は4000でなく、3900になっている。これは、2000が1920を切り上げたものであるということを理解しておけばよい。
    ●点数計算の原理上、40符3飜は20符4飜と同じになる。60符1飜は30符2飜と同じになる。
     従って、(2m)符n飜=m符(n+1)飜 という公式が成り立つ。
    ●得点表の覚え方
       20符・40符:イチサン・ニンロク・ゴオニイ
       30符・60符:イチ・ニー・ザンク・チッチー
       50符    :イチロク・ザンニー・ロクヨン
     
    11.まくりの点数計算

     「負けない麻雀」、「常に2位の麻雀」を麻雀対戦の目標に掲げている人がいる。大勝ちしなくとも、放銃せず、多く和がらずに淡々と進めるのも一興であろうと思う。しかし、トータルで麻雀の強さを比較した時に、どうしてもトップを多く取っている方が有利なのである。
     トップ率50%・ラス率50%のAさんと、2位50%・3位50%のBさんの合計点数を比較すると、Aさんの方が勝っていることになる。これは、ウマ以外に、オカ(トップ賞)がつくからである。ラスを多くひいても、それ以上にトップになることには価値があるのである。それゆえ、特にオーラスなどでは、トップになるための勝負をかける。破れてビリになることもあれば、まくってトップになることもある。
     トップを多く取ることが強い麻雀の証であり、2位に甘んじる打ち方をしている雀士はトータルで負けていることになる。
     トップになるための点数計算のことを「まくりの点数計算」と言う。これを何となくぼんやりと考えていては麻雀は勝てない。和了後にトップに届かなかったとか、あるいは逆転に必要な点数が充分にあるのにもかかわらず余計な役を付けようとして失敗したなどの例は数多い。

     自家がA点の和了をすることを考えると、以下の表のようになる。
    (1)トップを直撃自家が+Aトップが−A差は2A縮まる
    (2)自摸和(自家が子・トップが親)自家が+Aトップが−A/2差は1.5A縮まる。
    (3)自摸和(自家が親・トップが子)自家が+Aトップが−A/3差は1.33A縮まる
    (4)自摸和(自家が子・トップが子)自家が+Aトップが−A/4差は1.25A縮まる
    (5)他家栄和自家が+A 差はA縮まる

     (1)のトップを直撃する場合と、(5)の他家栄和をする場合には計算は簡単なのであるが、自摸の場合には、自家とトップの親と子がどうなっているかによって計算方法が違うので、注意が必要である。
     一般には、最初から(1)のトップ直撃を目指した手作りはせず、(5)の他家栄和でも逆転可能な手作りをする。それがどうしても無理な場合には、(2)〜(4)の親子関係に応じた自摸セン(自摸和専念)での手作りをする。
     なお、まくりにおいては以下のことに留意する。
       ・供託立直棒の数 … ×1000点
       ・場棒の数(本場数) … ×300点
       ・局内他家立直棒の数 … ×1000点
       ・トップとの上下(かみしも)差
       ・点数の単位の認識(1000,1300,1600,2000,2600,3200,3900…)
       ・自摸和時に点数が100点ないし200点得する点の認識
     当然、局開始時には、供託立直棒と場棒分をトップとの差から引いておく。トップとの差が5500点あっても、供託立直棒が1本あり、3本場であれば、5500−1000−900=2600点になる。
     自家が子で、かつ、自家がトップより下(しも)であれば、(5)の他家栄和なら3200点以上、(1)のトップ直撃なら1600点以上必要になる。ここでもしトップが親だと(2)のパターンになるので、自摸和なら2000点以上(自家が+2000でトップが−1000)になる。ここでもしトップが子だと2600点以上(自家が+2600でトップが−700)必要になる。
     自家が子で、かつ、自家がトップより上(かみ)であれば、(5)の他家栄和なら2600点以上、(1)のトップ直撃なら1300点以上必要になる。ここでもしトップが親だと(2)のパターンになるので、自摸和なら2000点以上(自家が+2000でトップが−1000)になる。ここでもしトップが子だと2600点以上(自家が+2600でトップが−700)必要になる。
     局内で立直がかかる可能性は高い。この時にはその供託立直棒を見込んで再計算することになる。特にトップ者が立直をかけた場合には自家にとって2000点も得をすることになる。また、他家の立直を一歩先読みして、トップとの差計算の時にこれを織り込んでおき、誰かが立直をかけるのを待つ、という算段もある。私はこれをよくやる。
     点数の単位の認識とは、例えば「2000点以上」と言う時に70符1飜は2300点なのであるが、70符などと言う符数を出すなどということは並大抵のことではできないので、符数は20符から50符の範囲で考えると言うことである。50符は七対子になる。すると和了点数の刻みは、子で1000,1300,1600,2000,2600,3200,3900,5200,6400,7700,8000,12000,16000,24000,32000,64000,96000,128000となる。この18の刻みしかないのである。25000点持ちにおいてはトップとの最大差は100000点であり、この場合には3倍役満の96000点では足りず、4倍役満の128000点が必要となる。しかし現実には私の経験では60000点以上の差がついたことは過去にはない。
     もしトップとの差が16000点より多いのなら、三倍満を狙うより役満を狙う方が効率的である。三倍満よりも役満の和が和了確率が高く簡単に作れるからである。
     また、もしトップとの差が12000点より多いのなら、跳満を目指すよりも、直撃(6400点以上)を狙った方が効率的である。
     自摸和時に点数が100点ないし200点得する点とは、子では1000点→1100点、1300点→1500点、2600点→2700点、3900点→4000点、7700点→7900点の5パターンである。
     その他の留意事項について。
    (1)自家が親なら
     自家が親の場合、必ずしも1回の和了で逆転をする必要はない。連荘すればいいのである。しかし、麻雀とはそれほど甘いものではなく、そう簡単に連荘を許してはくれない。ラス親においては、何回に刻んでトップを狙うかの判断が難しいのであるが、多くても2回でまくる作戦を立てるべきである。ドボン間近な他家への注意も必要となる。
    (2)ドボン間近
     ドボン間近の他家がいる場合、ドボンさせた上で逆転できるのならそれでいいが、和了しても逆転できずにドボンさせて荘を終わらせてしまう愚だけは犯してはならない。ドボン間近の他家がいる場合でかつ逆転の点数が足りないのであれば、立直はかけてはならない。
    (3)ノー聴罰符の動き
     もし荒局して、ノー聴罰符の動きがある時に、どう動くかを読む必要がある。トップ者はトップの地位を守るため堅く打つことが多く、ノー聴になる可能性も高い。トップがノー聴で自家が聴牌ならば、差は縮まることになる。トップ者をノー聴にするために、和了する気がない手でも、立直をかけたり、高い手に見せかけるような副露をするという作戦も重要である。また、ドボン間近な人がノー聴でドボンになりそうならば、それを救済するために自分をノー聴にしなければならない場合もある。
    (4)ラス前でのトップ狙い
     オーラスではなく、ラス前にまくりの点数計算をしてまくっておかないといけない場合は多い。必ずしも多くの雀士がトップを目指した和了をしてはいない。オーラスにラス確定和了はもちろん、2位確定和了や3位確定和了をする人の方が多い。従って、オーラスになってからトップを狙ったまくり点数計算をするのではなく、ラス前でトップになるためのまくりの点数計算をしてまくっておく方がいいのである。

    ●トップがトップを守るための点数計算
     (未稿)


    12.点数計算実践編

     点数計算の実践である。何符何飜で何点、と答えて欲しい。
     普通で優しく基本的なものから、難しいものまで取り揃えている。

     東場の西家とする。立直はかけていない。
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まだ取り揃えていない。
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